【この記事が役に立つ方は、こんな方!】
- 事業を引き継ぐ際の補助金制度はないか?
- また自分は、対象者になるのか?
- なるべく簡単に知りたい
- 具体的な手続きについて知りたい
- 要綱を全部読むのはめんどくさい
【この補助金については、理解していて、現在の最新情報をすぐ知りたい方】
★基本情報(現在の公募状況)
Ⅰ.公募期間:2020年4月10日~2020年5月29日(金)19:00まで
⇒6月5日(金)19:00までに延長
Ⅱ.公募方法:電子申請のみ
*郵送などでの受付ではなく、全て電子申請になります。
Ⅲ.公式サイト:事業承継補助金ポータルサイト
これまでは、事業承継に対する優遇措置は「税金面だけ」でした。しかし近年、経営者が高齢化し、事業を継ぐ人が少なくなりつつあります。このため、この補助金は「事業承継を支援し事業所の減少を食い止めたい」そんな目的で設立された補助金と言えます。
具体的には、事業を引き継ぐ際に「経営を立て直すような取り組み」に対して、援助が受けられる内容になっています。
特徴として、1.補助金を受け取ることができる条件が多岐にわたっている、2.申請が電子申請のみ、があげられます。
さらに、認定支援機関(以下記事内)に「確認」をしてもらって、はじめて申請できる仕組みになっています。反対に言えば、「認定支援機関」に相談しながら、対象の確認や計画策定ができますので、信頼できる認定支援機関に相談しましょう!(近年申請代行し、高額な請求をしてくるコンサルタントもいるようですので、ご注意ください)
Contents
どんな事業承継をすると、もらえる?(対象となる事業承継)
以下の事業承継の類型によって、補助の対象が異なっています。
簡単に記載すると・・・
Ⅰ.「経営者」の交代、Ⅱ.後継者不在。事業再編、統合を行う中小企業者、です。
Ⅰ.後継者承継支援型 (経営者の交代)
・個人及び中小企業・小規模事業者で、交代を契機として、経営革新等に取り組む者
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援等事業者により特定創業支援
等事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者であること
・地域の需要や雇用を支える者であり、地域の需要や雇用を支えることに寄与する事業を行う者
Ⅱ.事業再編・事業統合支援型 (後継者がいなくて再編・統合)
後継者不在により、事業再編、統合を行う場合、以下の事業者が対象になります。
・事業再編、事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む者
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援等事業者により特定創業支援
等事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者
・地域の需要や雇用を支える者であり、地域の需要や雇用を支えることに寄与する事業を行う者
経営者が交代により、事業承継する場合、以下の事業者が対象になります。具体的には、自治体の取り組みなどによっても違うので、認定支援機関(以下記事内)に相談しながらすすめましょう!
どんな人・会社が対象?(補助対象者)
要綱を要約すると・・・中小企業で、1.国内在住、2.地域に貢献、3.反社会でない、4.法的問題がない、5.今後の調査などに協力的 であること。以下、細かくみていきます。
1)補助対象者は、国内に拠点もしくは居住地を置き、同国内で事業を営む者
(個人事業主は、青色申告者であり、税務署の受領印が押印された確定申告書Bと所得税青色申告決算書の写しを提出できること)
*外国籍の方は、「国籍・地域」「在留期間等」「在留資格」「在留期間等の満了の日」「30条45規定区分」
2)地域経済に貢献している中小企業者
地域の雇用の維持、創出などにより地域経済に貢献している。
例: 雇用の維持、創出/域内仕入が多い/地域の強みの活用 など
3)反社会的勢力でない、また関係を有していないこと
4)法令順守上の問題を抱えていないこと
5)経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていないこと
6)事務局からの依頼(公表や調査・アンケート等への協力)を受けられること
(対象となる中小企業者等)
業種分類 | 定義 |
製造業その他(注1) | 資本金の額 または 出資の総額が3億円以下の会社 または 常時使用する従業員数が300人以下の会社・個人 |
卸売業 | 資本金の額 または 出資の総額が1億円以下の会社 または 常時使用する従業員数が100人以下の会社・個人 |
小売業 | 資本金の額 または 出資の総額が5千万円以下の会社 または 常時使用する従業員数が50人以下の会社・個人 |
サービス業(注2) | 資本金の額 または 出資の総額が5千万円以下の会社 または 常時使用する従業員数が100人以下の会社・個人 |
- ゴム製品製造業(一部を除く)は、資本金3億円以下または従業員900人以下
- 旅館業は資本金5千万円以下または従業員200人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業は3億円以下または従業員300人以下
ほか、いわゆる出資を大企業から受けている みなし大企業は、除きます。
事業承継の要件 (事業の引継ぎ期間など)
引き継ぎ要件と期間
中小企業者等間における事業を引き継がせる者を含む事業の引き継ぎを行った、または、行うこと。期間:2017年4月1日~補助事業の実施期間完了日または、2020年12月31日のいずれか早い日まで。
事業承継形態に係る区分整理
事業承継の形態は、個人事業主の場合、法人の場合などによって、区分整理がされます。区分整理とは、事業承継の形態が、個人事業なのか、または法人なのか?また事業譲渡、株式譲渡、吸収合併、株式分割などの区分をすることで、実に様々なケースがあります。
自社がどの整理になるのか、最寄りの認定支援機関に相談しながらすすめてください。
補助対象事業
Ⅰ.事業を引き継いだ承継者(中小企業者等)による経営革新等にかかる取組みであること
経営革新とは、具体的には、以下Ⅱの事業となります。
Ⅱ.以下の内容を伴う事業
①新商品の開発または生産 ②新役務の開発または提供 ③商品の新たな生産または販売の方式の導入 ④役務の新たな提供の方式の導入、⑤上記によらず、その他の新たな事業活動による販路拡大や新市場開拓、生産性向上等、事業の活性化につながる取組、事業転換による新分野への進出 等
つまり・・・単なる引継ぎではなくて、「新しい取り組み」を行うことが求められます。
どんなふうにすすめるの?(実施スキーム)
以下、実施スキームです。簡単にまとめると、(以下の図における番号)(3)事業者が申請者となり、(2)事業承継補助金事務局に対して補助金申請をします。
また、申請時、必要書類のひとつとして(4)「認定経営革新等支援機関」発行の「確認書」が必要となります。つまり事業者単独では申請できずに(4)認定支援機関の確認が必要となります。
認定支援機関については、地域の商工会議所や金融機関、その他のコンサルタント(税理士等)が事前に登録されているので確認してみましょう!
(1)経済産業省 中小企業庁
↑報告等
(2)事業承継補助金事務局(一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)
↑補助金申請 ↓補助金交付
(3)事業者(中小企業・小規模事業者)
↓↑経営相談 ↑確認書発行
(4)認定経営革新等支援機関
いつ使える?(補助事業期間)
交付決定日(国が決めた日) から 2020年12月31日 まで
交付決定日というのは、補助金申請後、採択された場合、国から「この日から補助金事業の経費を使ってよいですよ」と決められた日。正式に許可が下りた日、ということです。
期間は、毎年、その年の12月31日まで、となっています。
どんな経費に使えるの?(対象経費)
補助金ですので、その事業の遂行に必要なもの、さきに記載した期間内におこなった契約や支払った経費、になります。
主な補助対象経費は、以下のとおり、です。
Ⅰ事業費 ・・・以下の事業を行うための経費
人件費(賃金など)、店舗等借入費(賃借料など)、 設備費(機械器具など調達費用)、
原材料費(試作品など)、知的財産権等関連経費(弁理士費用など)、 謝金(専門家経費)、
旅費(交通費など)、 マーケティング調査費(調査費用)、 広報費(広報活動費)、
会場借料費(説明会等の会場借料費)、 外注費(業務の外注)、委託費(業務の委託)
Ⅱ廃業費・・・以下、廃業をする際にかかる費用
廃業登記費(廃業手続きに係る司法書士等の経費)、在庫処分費(既存事業の商品在庫の処分費)、
解体・処分費(既存事業の設備解体・処分)、 原状回復費(借りていた設備の返却時の原状回復)、
移転・移設費用(Ⅱ型のみ)(効率化のための移転費用)
実際、どんなことに使えるのか?しっかりと認定支援機関に確認しながらすすめましょう!
いくら使えるの?~補助上限額、補助率~
Ⅰ型、Ⅱ型の
I型 後継者承継支援型(経営者交代)
補助率 1/2 補助上限額 225万円
*廃業を伴う経費がある場合、上限が 450万円へ上乗せされる
Ⅱ型 事業再編・事業統合支援型(M&Aタイプ)
補助率1/2 補助上限額 450万円
*廃業を伴う経費がある場合、上限が 900万円へ上乗せされる
なお、以下の①もしくは②の要件を満たすと2/3以内になる。
①ベンチャー型事業承継枠(以下全てを満たす)
新分野への進出を行う/従業員数を一定以上増加/補助事業に直接従事する従業員の雇い入れ
②生産性向上枠
先端設備等導入計画(市町村)、経営革新計画(都道府県)いずれかの認定事業者
新しい分野の取り組みや生産性を上げる取り組み、ということ。
やはり細かな設定もあるので、認定支援機関に聞くべし。。。
どのようにすすめるの? 申請の流れ(電子申請)
これまでの紙ベースの申請書から電子化による申請に代わっています。
この事業承継補助金は、全て、電子申請 になりました。
電子申請をするためには、1.IDアカウント(Gビズ)を取得し、2.電子申請、となります。
必要書類
電子申請をしますので、書類は、全てPDF版にします。
★申請者共通して必要な書類
1)認定経営革新等支援機関による確認書(承継者)
このブログでもよく出てきます、相談しながら進めてもらう機関の
確認書。つまり、事業者単独では申請できません。
2)住民票(承継者・被承継者 (*法人の代表、また個人事業主))
3)法人の場合(承継者・被承継者)
・履歴事項全部証明書
・税務署での受付が確認できる直近の確定申告書
・同上のもととなる決算書(貸借対照表、損益計算書)
*確定申告を1度も迎えていない場合は、その旨を記載した書面
4) 個人事業主の場合(承継者・被承継者)
・税務署での受付が確認できる直近の確定申告書B、青色申告決算書
*確定申告を1度も迎えていない場合は、開業届
5)特定非営利活動法人の場合(承継者・被承継者)
・「履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)」
・「定款」
・「直近の事業報告書・活動計算書・貸借対照表」
*設立前または初年度は、、その旨を記載した書面
6)2/3以内の補助率要件を申請するために必要な書類(PDF)
生産性向上枠:「先端設備等導入計画の認定書の写し」または
「経営革新計画の認定書の写し」
その他、該当する場合に必要な書類は、よく確認しながら進めてください!
審査・選考
①資格審査
まず、資格審査が行われます。資格審査とは、1.対象者か 2.上限額、補助率
に適合しているか、という入口の要件です。
②書面審査
つぎに、審査員により、提出書類について、下記着眼点により審査が行われます。
★着眼点(ポイント要約)
1)顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービスや提供方法を自ら編み出して
いる事業
2)具体的に、手法ヤプロセス、人員、販売先などが明確になっているか
3)ニーズ把握が的確で、事業全体の収益性がたっているか
4)事業実施内容と実施スケジュールが明確。売上・利益計画が妥当・信頼性があること
5)先端設備導入計画また経営革新計画の認定を受けている場合、この事業承継補助金の申請
と事業内容が同一であり、生産性向上が見込まれること
まとめ
・事業承継の形態によって補助金額等が変わる(経営者の交代/事業統合・再編)
・経営革新に取り組む事業であること(単なる引き継ぎではない)
・認定経営革新等支援機関の確認が必要
要件や類型などが複数あり、事業者さん単独では、進めにくいかもしれません。 そんな時のために、「認定支援機関」に相談、確認することができる制度なので、 信頼できる機関に頼んでみましょう! 期限ギリギリになると間に合わないこともあるのでご注意を!