ビジネススキル

補助金 採択(合格)してからの進め方 ~受かってからも分かりづらい?申請のスキル編~

【この記事が役立つのはこんな人】 

・いざ採択(合格)したけど、どのように進めていいか分からない 

・進め方について、たくさん書類が送られてきたけど、何から始めて良いか分からない 

補助金申請を終えて、いざ合格したが、どのように進めたら良いか分からない、という方、多いと思います。また実際に、合格したから目的の品などを買ったけど、補助金の対象にならずに、結局、お金をもらえなかった、などというケースもあります。 

この記事では、補助金採択(合格)してからの進め方について、実際の事例も踏まえた紹介していきます。

採択(合格)してからの進め方

前提として、補助金は「事業を終えてから(補助金の対象となる経費を使ってから)」受け取ることができる制度です。つまり、補助金を受け取るためには、まず自分で目的の物を購入する(資金を建て替える)必要があります。また、購入しても良い期間(補助金の対象となる期間)が、あらかじめ定められております。例外はありますが、多くの補助金制度は、このように、1.まず自分で購入、2.その後に補助金受け取り、という流れがあります。 

採択されてからの手順について 

手順は、以下Ⅰ~Ⅵまでのとおり。 

手順Ⅰ.採択通知(まだこの時点ではお金を使ってはいけない) 

手順Ⅱ.交付決定(補助金の主催との契約) 

手順Ⅲ.事業実施 

手順Ⅳ.請求 

手順Ⅴ.審査(補助金事務局による書類の確認) 

手順Ⅵ.補助金受給(書類確認の後、問題なければ交付される) 

以下、順にみていきます。 

手順Ⅰ.採択通知 ~まだこの時点ではお金を使ってはいけない! ~

補助金を申請して、合格すると、まずそれを通達する「通知書」が届きます。いわば合格通知です。ただしこの時点では、まだお金を使ってはいけません。どういうことかというと、合格した後に、補助金の主催となるところ例えば、国や都道府県)と「契約」をする必要があるのです。 

手順Ⅱ.交付決定 ~補助金の主催との契約~ 

合格した後に、その補助金の主催となるところと「契約」を結び、承認されると、補助金として、経費を使っても良い期間となり、このことを「交付決定」と呼びます。 

この「経費を使い始めて良い日」を、「交付決定日」とも呼びます。 

「合格通知と何が違うの?」と思われた方も多いのでは。受験で例えると、合格通知の後に、入学するための「手続き(=承認を得るため)」と思ってください。この手続きをして、入学式を迎えるわけです。

手順Ⅲ.事業実施 

交付決定、交付決定日が確定しますと、目的の品、物を購入してよい(補助金を使ってよい)期間、となります。この日付以降に、目的の品の購入手続きをすすめます。 

手順Ⅳ.実績報告 

補助事業期間が終わると、実績を報告します。補助金を使って何を行ったか?どんな成果が得られたか?またどのような経費を使ったかを、補助金事務局へ報告します。 

手順Ⅴ.承認と請求 

実績報告により、内容が確認(承認)されると、事業者が、実績に基づき、補助金を請求する手続きに移ります。 

手順Ⅵ.補助金受給

請求に基づき、補助金が受給されます。基本は、銀行振り込みです。

間違いやすい手続き~対象期間~

手順の中でで間違いやすいのは、「対象期間」です。 

交付決定日(補助金を使ってよい)以降の期間が、実施期間となりますが、よくある間違いやすい手続きについてご紹介します。 

通常の取引では、行わないような書類

補助金は、国・県・自治体の税金なので、通常のビジネスのすすめかたでは省略するような書類も整えます。具体的には、以下のように、取引の流れが分かるように証拠書類の提出を求められます。

1.見積書、2.発注書 3.発注請書 4.納品書 5.請求書 6.領収書 

通常の取引だと、6.の領収書があれば、会計上、経費として認められますが、補助金制度上は、6のほか、1~5が必要となるのです。 

対象期間外での取引 

1.合格通知(採択)があってから、交付決定日のあいだに実施してしまうケースも多く見受けられます。 

合格発表があり、その後すぐに経費を使ってしまった。交付決定前は、まだ補助金を使っていい期間ではないので、認められないです。 

また、支払いは、まだ分かりやすいですが「契約行為」自体もNGとなります。どういうことかというと、支払う前に行う契約行為、つまりは注文書・発注書の発行などです。 

売買は行っていない(支払ってはいない)けど、“売買の約束をすること自体”が認められないのです。 

最後に(まとめ) 

【補助金制度は、通常の取引とは「別」と考えよう!】 

以上、補助金申請後の進め方について、記載してきました。 

通常の取引とは、また別世界と感じられたのでは? 

進め方で、失敗しないように、補助金事務局や顧問の税理士、また商工会議所などの公的支援機関に相談しながら進めることもおすすめします。