ビジネススキル

創業したい!これだけ抑えればOK!

創業前に…必ず抑さえておく「チェックポイント」 

 創業するのにこれだけは、抑えておきたい!逆に、これらが抑えられていなければ、創業を考え直す、またはもっと創業するための準備に時間をかけた方がよいのかもしれません。 

 「趣味」と「ビジネス」の大きな違いは、”儲けられるかどうか”、です。つまりお金に換えられるか?次の3つのチェックポイントを確認していきましょう! 

チェック1.自分が選んだことは得意なことか?好きなことか?

 自分の得意なことか?それは、自分がずっとやり続けてきたこと、つまり「自信のあること」です。

「創業したいけど、何をやるか決まっていません」こうした相談も実際にあります。

 成功する(ここでいう成功とは、ちゃんと儲かって、事業として成り立つこと)確率が高いのは、ズバリ「自分が今までずっとやってきた得意なこと」を始める、ことです。

 自分がやってきていないことを始めるのは、無謀と言えます。何も勉強(練習)せずに、学校のテストやスポーツの試合を行うようなもの。その事業に必要な技能、知識、資格などが十分でないと創業はおススメしません。

チェック2.お客さんは誰? 全員の名前を書き出してみる 

創業する前から、あなたのお店に来てくれるお客さん、またあなたの持つ技術に価値を見い出していて、買ってくれる人がいますか?

具体的には・・・「創業する前の時点で、実際に商品を買ってくれるお客さんがいるか?」ということ。創業する前に、試しに売ってみる、それをしばらく続けてから、創業する。最初に助走をつけてから始めるのも大切なことです。

 そして、その人たちを書き出してみてください。 

チェック3.資金は十分に用意できていますか? 

サラリーマンと違い、創業しただけでは商品やサービスが売れない限り、1円も入ってきません。創業する時には、「事業を始めるための 資金」と軌道に乗るまでの「生活費」の2つの資金計画が必要です。

必要な資金については、以下の「事業準備のための資金」と「生活資金」に分けて整理すると良いです。

1)必要な資金 

  1.事業を始めるための必要設備

     ・生産設備 

     ・パソコンなどの通信機器 

     ・水回り品などの設備 

  2.創業するための必要な運転資金 

     ・商品の仕入代 

     ・その他の経費(電話代、水道代、電気代、家賃) 

  3.生活資金 

     ・食費

     ・家賃や住宅ローン

  など、、、

また、資金をどのように調達するかも計画しましょう!大きく分けて、①自己資金、②借金(家族・親戚・金融機関)など。なお、国や都道府県、市町村において「補助金」制度なども活用できる場合があるので確認してみましょう! 

2)資金の調達先 

  1.自己資金・・・自分の貯金や退職金 

  2.借入金 ・・・借金(銀行から、また家族や親せきなど) 

創業時の資金繰り表 

 日本政策金融公庫(→国の「貸出専用」の銀行)から、「資金計画表」のフォーマットも無料で出ています。 

 以下、日本政策金融公庫「創業計画書」内、右側ページ「7.必要な資金と調達方法」を参照。

日本政策金融公庫 「創業計画書」(美容室 例) 右側ページ「7.必要な資金と調達方法」 https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei02_190507d.pdf

こんな失敗例~失敗から学ぶ!事例をみてみよう~ 

創業してから、こんな失敗事例 

1)資格取得のみ、での創業(〇〇士、〇〇師) 

 いわゆるサムライ資格。〇〇士や〇〇師を取得し、その後、取得した資格での経験がないまま、すぐに創業してしまったケース。法律でその資格者のみが業務を行うことができる「税理士」や「弁護士」は、会員制などによる協会もあるので、最初から仕事があるのかもしれませんが(それでも、最近は競争が激しいと聞きます)、いわば上級資格ではない場合、資格を取ったからといって、仕事に結び付かないケースはたくさんあります。創業前に、上記「チェック2」お客さんは誰か?の検証が十分でない。または、その資格は知識の習得にはなるけど、社会での需要が全くない、ということも考えられます。

2)技術は高く、専門的なのだが、参入できないケース (IT系・HP制作など)

 これも1)のケースに似ていますが、専門的なスキルがや経験もあるが、創業時にお客さんがゼロのケース。具体的には、IT系ネットワーク管理やWEB作成、ソフトウェア開発など。技術・経験はあるのだが、創業前に、大手企業に勤務していた方などに多く見られます。つまり会社の中で、技術者だった方で、お客さんとのつながりがなかったケースです。

 今は、ギグワークなどをはじめ、Web上で仕事を請け負うことができるサービスもたくさんあります。まずはこうしたところでお客さんを広げつつ、始めて行くとスムーズかも?!。

3)やったことのない事業での創業(ラーメン店など飲食系) 

 これは、上記「チェック1」が十分でない場合です。事例でいうと「ラーメン屋をやったことはないが、好きだから」「料理するのが好き。友達にも好評だから始めた」といったレベルでの創業です。これらの場合、よくみられるのは、「供給力」がないこと。具体的には、ラーメンのスープを同じ品質で「1日100杯以上」作れるか?お客さんを待たせずに、料理が提供できるか?つまり、店舗運営をしたことがないままに、創業してしまうケース。専門知識、実務経験ともしっかり積んでから創業しましょう!

さらに創業をスムーズにするために・・・ 

1)人を雇わないでスタートする(=お金をかけずに始める) 

 売上がない、つまり入ってくるお金がない時に払わないといけない費用は、極力抑えたいです。飲食店を開業する場合、設備や内装代だけでも何百万、という投資(お金)が必要となります。賃貸物件で、家賃などは仕方ないとしても、従業員の雇い入れや設備代は、いかに抑えて始められるか、しっかりと資金計画を立てて、始めましょう。

2)配偶者がいる場合:外貨を得られる環境 

 例えば、ご夫婦の場合、どちらか(仮に奥さん)は、外で働いて収入を得ていた方が、経済的な安心感が得られます。「一念発起、脱サラして、奥さんとともにラーメン屋をやるぞ!」始めたものの、収入ゼロ、借金まみれ、で路頭に迷う、なんてことがないようにリスクをいかに小さくして開業するか?をしっかり考えましょう。 

3)国の制度の活用~最寄りの支援機関にも聞いてみる~

市町村が主催する「創業スクール」といった創業のいろはを学べるものや各地で「地域プラットフォーム」という商工会議所や金融機関などが連携した枠組みによる創業相談もあります。是非そういった機関も活用すると、より自分の描いていることが明確になりますし、同じ志(創業)を持つ仲間もできるので是非参加しましょう! 


まとめ 

 創業をスムーズに行うために、準備に時間をかけ、計画をしっかり立てましょう。準備に時間をかけ、計画をしっかり立てることで、創業するために、足りない点が浮き彫りになります。そして「お客さん」あっての商売です。自分がやってきた得意なこと、続けてきたことの延長線上で行うことが基本ですが、お客さん、をしっかり想定、創業する前から、確実に捕まえてから創業しましょう!